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カスタマーボイス vol.2
日本化薬株式会社が、火薬技術を応用して開発するのはドローンの安全装置。技術力のある化学メーカーがオープンイノベーションに求めるものとは?

日本化薬株式会社
セイフティシステムズ事業本部

濱田様、髙田様

今回、ご紹介するのは、オープンイノベーションを通じて産業用大型ドローン対応の安全装置「Para Safe(パラセーフ)®」の開発に挑む、日本化薬株式会社様のセイフティシステムズ事業です。パラセーフは、パラシュートを射出展開し、ドローンが落下しても人命を守り、機体の損傷も防ぐというもの。長年培われてきた火薬の技術を応用しています。

プロジェクトのチームリーダーである濱田さんと開発チームの髙田さんに、このプロジェクトの概要とナインシグマとの出会い、今後の展望等について、お話を伺いました。(敬称略)

 

― ドローンの安全装置は、これまで取り組まれてきた事業とはまったく違う分野だと思います。なぜドローンの安全装置の開発を手掛けることになったのでしょうか。

濱田:もともと、日本化薬は火薬から始まった100年以上の歴史を有する会社で、姫路工場ではダイナマイトを着火させる雷管を作る工場でした。マーケットが縮小していく中で「この火薬の技術を使って何かできないか」と考えて始まったのが、セイフティシステムズ事業です。自動車用エアバッグを膨らませるガス発生装置「インフレータ」などを独自に開発し、ここ数年で当社の経営を支える中枢事業にまで成長しました。さらに、市場ニーズを捉えた製品開発を実現するため、新たなテーマを探し始めて行き着いたのがドローンの安全装置です。

髙田:ドローンの安全装置とは、ドローンが地上に落ちる前にパラシュートを射出してドローンの降下速度を落とし、人への被害を減少したり、機体の損傷を防いだりするものです。

― 今回のプロジェクト以前にもナインシグマと関わりがあったそうですね。

濱田:今から5~6年前になりますが、色素技術を活かした新規テーマとして打ち出した「色素増感太陽電池」の開発の際に、ご協力いただきました。当時は、新規テーマの研究開発の経験がなく、自分たちで何から何までやろうとして壁にぶつかることも多かったんです。「色素増感太陽電池」に関しても、すでに顧客は見つかっていたのですが、自分たちだけでは良い材料が生まれず、行き詰まっているときに、ナインシグマさんの存在を知りました。これまで経験したことのないやり方で私たちに合うものをご提案いただいたという印象です。こちらのニーズをくみ取って新しい提案をしてくれるところに魅力を感じました。

 

*Para Safe®

 

― 今回、外部パートナーを探す際、探す手法としては以前よりもさまざまな選択肢があったかと思います。その中で、またナインシグマを選んでいただいた理由は何でしょうか。

濱田:ドローンについては初期の段階から、自分たちだけでは難しいと判断し、国内に外部パートナーを求めたのですが、私たちが要求する技術を国内で見つけ出すことは難しく、グローバルに探さなければならないということが分かりました。そこで、世界的にネットワークがあり、私たちが想像し得ない提案を提供してくれるナインシグマさんを選ばせていただきました。

 

 

― 公募に至るまで進め方・プロセスについて点も含めて教えてください。

濱田:まずは私たちが望む大まかな概要を面談でお話しした後に、ナインシグマさんのフォーマットに沿って、私たち自身でも要望を整理しながら紙面を作成して提出しました。すると、それらの情報に基づいて、ナインシグマさん側での事前の調査を実施いただき、私たちの要望や課題の本質をより深く理解した上で、「こうしたほうがより幅広い相手に伝わるのでは?」「この情報は今のところ書かずに公募後に可能性のある組織と対話にしながら確認したほうがいい」などの細かなアドバイスをいただき、募集要項としてまとめてくださいました。

髙田:公募結果としていただいた提案書一覧をもとに絞り込みのサポートをしていただき、その後、絞り込んだ企業とのWEB会議のセッティングから、企業同士のお付き合いができる見通しが立つまでフォローしていただきました。共同開発の条件調整などに関する着地点についても助言をいただき、最初から最後まで導いていただいたような次第です。現在、ロシアの企業と契約を結んで、サンプルが届くところまで進んでいます。

― 今回、弊社のテクノロジーサーチ(グローバル探索)をご利用いただきました。実際に使ってみた感想としてはいかがでしょうか。

髙田:最初は14件ほどのご提案をいただき、その中からどう絞るかのアドバイスもいただきました。その際に役に立ったのは、企業規模や技術力、提案している内容との合致度合い、抱えているリスクなどの評価情報です。また、こちらの意図を確認して、先方の担当者とつないで調整するスピード感には驚かされました。これまでの経験に基づいた幅広い提案やアドバイスをしてくれ、私たちだけでは気付くことができない発見がたくさんありました。WEB会議を設定する際も、国によって特徴があることを事前に教えていただけたので、スムーズに進めることができました。私はあまり英語が得意ではないので、会議のセッティングや通訳についてもお手伝いいただき、本当に助かりました。

今回ご提案いただいた中で一番驚いたのが、ロシアやインドなどあまり馴染みのない国の企業さまをご紹介いただいたことです。アメリカやヨーロッパ、中国などと違って、ネットで調べても簡単にデータを見つけることができませんから。

 

― パートナーとしてナインシグマを選んで良かったと思う点、価値を感じている点はどこでしょうか。

濱田:社外とのオープンイノベーションはお見合いに近いものがあります。そのような状況中で、良い関係性を築くためのアドバイスをいただけたことはとても参考になりました。そのおかげで要所要所において双方の願望や実力を吟味し、ともに納得した上で進めることができました。

  

―今後、オープンイノベーションを活用しながら実現したいことはありますか。また、今後もプロジェクトで行き詰まったときはナインシグマを活用してみたいと思われますか?

髙田:社内の事業領域だけではなく、幅広く拡げていけるのがオープンイノベーションの良さです。社内には現在4事業部がありますが、それ以外の領域にも拡げていければと思います。たとえニッチな市場でもさらに情報を集めて、お客様のニーズに合ったものを提案していきたいです。

濱田:ドローンの安全装置も開発中で、まだ完成していませんし、外部との協業で立ち上げられる事業があれば、ご相談させていただきたいと考えています。

  

― インタビューにご協力いただき、ありがとうございました。

 濱田・髙田:ありがとうございました。

 

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