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特徴的なオープンイノベーション事例⑥:食品・飲料業界におけるオープンイノベーションの動向2

先週は、食品・飲料業界におけるオープンイノベーションの動向1として、ナインシグマのテクノロジーサーチを用いた短期的な製品開発に関連したオープンイノベーションの取り組みに関して紹介しました。

今週は、特にマイクロプラスチックによる海洋汚染、食品ロス問題など食品・飲料業界のビジネスに特に影響を与えうるSDGsに関連する課題に対して、国内食品・飲料メーカーがオープンイノベーションを活用してどのように取り組んでいるかを紹介します。

 

ナインシグマでは三井化学東セロ、凸版印刷、アサヒ飲料という、サプライチェーンの異なるポジションに位置する大手企業3社が、マイクロプラスチック問題解決を目指しマルチクライアント形式での技術公募の支援を実施しました。

 

次世代の環境包装材、パッケージング技術

https://www.ninesigma.com/s/RTP-2018_NineSights

次世代の環境包装材・パッケージングをテーマとして、日本の大手メーカー3社と協業可能性のある先進的な技術や事業提案を全世界から求めた。

 

この技術公募の特徴としては、サプライチェーンの異なるポジションに位置する大手企業が「パッケージング」という一つのテーマに関するソリューションを世界中から集めたことにあります。複数のキープレーヤーが協働することで、「パッケージング技術の高度化を通じた環境保全」という社会課題に対して、サプライチェーン全体での最適なソリューションの検討が可能となります。(https://ninesigma.co.jp/pitch/jp/)。

また、このマルチクライアント形式での技術公募では、書類審査通過組織によるピッチを3社が同席した場にて実施しました。単に環境対応型パッケージングの先端技術をピッチによって共有できるだけでなく、立場の異なるプレイヤーがこの社会課題に対してどのように考えているか、どのように進めていきたいと思っているか等の情報交換ができる機会となり、併せて有用であったという声も聞かれました。

今年のダボス会議においても気候変動に関する話題が議論の中心となりました。海外・日本の食品・飲料業界では、SDGs関連の取り組みはますます活発化すると考えられます。

 

一方、別のトレンドとして、製造業における「モノ売りからコト売りへのビジネスモデルの転換」も挙げられます。食品・飲料業界はBtoC商材を扱っているものの、実際には小売業等を通して商品を販売しているため、これまでは消費者との直接的な接点はありませんでした。「モノ売りからコト売り」へのビジネスモデルが変化しようとする中で、食品・飲料業界でも消費者とのダイレクトなチャネル(自社ECサイトなど)を持つ動きが活発になっています。自社での活動に加えて小売り・EC・飲料店といった消費者とのダイレクトかつ大規模なタッチポイントを持つ外部組織と協働し、新たなサービス提供の形を模索することが今後のトレンドとなるかもしれません。

 

従来ナインシグマでは、技術課題解決のための公募を通じたソリューション提供を行ってきました。しかしながら、オープンイノベーションの普及・クライアントニーズの多様化に合わせ、技術公募だけでなく、「オープンイノベーション推進体制の構築支援」、「研究開発戦略策定支援」、「技術導出(シーズアウト)支援」等、オープンイノベーションの上流から下流まで柔軟にお手伝いできるよう、幅広いサービスを提供しています。

まずは無料でのディスカッション、カウンセリングを行っていますので、研究開発、オープンイノベーション、新規事業といった領域でお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にナインシグマまでお問い合わせください。

日本の食品・飲料業界をより一層盛り上げていくためのご支援ができることを楽しみにしています。

 

藤原 広樹
ナインシグマ・アジアパシフィック株式会社
京都大学/農学研究科 修了、キリンホールディングス株式会社/ R&D本部を経てナインシグマ入社。