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AR/VR技術を用いたイノベーション:幅広い業界で活用されるAR/VR技術の導入に向けた支援事例

”AR/VR技術を実用化するは動きは、あらゆる業界で広がっています。本記事では、AR/VR市場の参入に積極的なカタールにおける取り組みについて、ナインシグマが支援した実例を交えてご紹介します。”

あらゆる業界で、AR/VR技術を実用化する動きが広がっています。かなり複雑な課題(ヘルスケア分野)や危険を伴う課題(重工業/石油・ガス分野)、実際に再現すると経済面での発展を見込めない課題(デジタル・ツインや顧客側の問題)があっても、AR/VR技術は現実的なシミュレーションを行うことができるのです。

AR/VRは、ゲームの分野でも勢いを見せており、ホロテーブルやオンラインカジノを始め、ギャンブルでも活用されています。今、AR/VR技術は、視力や聴力、認知機能などに障害をもつ人々への教育や社会的ケアの場で特に需要が高まっており、地域社会で重要な役割を果たしています。

<AR/VR技術、カタールで急速に導入>

カタールは、イノベーションを推進し、パートナーシップの構築に力を入れる強国として、中東で急速に台頭しています。
カタール投資庁とカタール財団の主導のもと、高い技術力をもつ大学や中小企業のエコシステムを強化し、従来の石油・ガス市場を超越したパートナーシップを築いています。

本記事では、カタールの企業がAR/VR市場の参入にあたってどのように技術を活用しているのか、また、ナインシグマのネットワークをどのように駆使してパートナーを特定し、契約に結びつけたのかを、実例を交えてご紹介します。
いずれのクライアントも、まずは新しい技術が評価される分野を特定し、その分野に従事する潜在的なパートナーを選び、商品化に向けて、各領域に必要なイノベーションとコンサルティングの提案を希望していました。

ナインシグマは、カタールを拠点とする企業と多面的に関わりをもつ中で、その専門性を着実に発揮しました。ここでは、弊社の優れた技能、そしてそこから得られた成果を、3つの事例とともにご紹介します。

<事例1:WiFi/ルーターのトラブルシューティングに活用可能なAR/VR技術の導入支援>
イノベーション・コンテストを開催し、複数の提案から専門家による審査を通して、有望技術を持つ組織を選定

クライアント様:Ooredoo Telecom

WiFi/ルーターの電波干渉に関する苦情は世界的な課題となっています。生産性は低下し、顧客にストレスを与え、膨大なコストをかけて解決しなければなりません。

些細な問題であれば、顧客側が適切な情報とツールを使って簡単に解決できることもありますが、実情は調査のためにたびたびエンジニアが派遣されています。

イノベーションに関する課題となったのは、企業を特定すること、具体的には顧客が自分で接続の問題を診断できるような、モバイル機器への実装に適したAR/VR技術を開発できる企業を選ぶことでした。このソリューションの狙いは、顧客のストレスを軽減し、エンジニアの派遣費を削減し、ネットワークの安定性を維持することです。

ナインシグマは、10万ドルの報酬をかけてイノベーション・コンテストを開催し、世界規模の審査を実施。問題解決への潜在的な能力をもつ15社を特定し、接触しました。ここで絞り込まれた企業は、主要な基準に対応するための、技術主導の企画案を提出し、カタールを拠点とする専門家によって評価しされました。あらゆる角度から検証を行った結果、選定されたのは、インドのAutoVRseです。現在は、試験段階をクリアし、Ooredoo TelecomとAutoVRseは、国内全域での課題解決に向けて、技術を展開する計画を進めております。

<事例2:静止衛星の遠隔監視に活用可能なAR/VR技術の導入支援>
独自の専門家ネットワークと専門知識を活用しグローバルに候補組織を選定。最終的に期待を遙かに超えた有望組織とのマッチングを達成
クライアント様:EsHail’Sat

EsHail’Satは、ドーハ市内より75km離れたテレポートから2基の静止軌道衛星を運用しています。ただ、ごくまれに衛星に問題が発生した場合、半自動化システムを採用したテレポートまでエンジニアを派遣し、対応しなければなりません。修理・点検プロセスには最低でも3時間から5時間ほどかかるため、ネットワークの信頼低下につながるのはもちろん、莫大なコストがかかってしまいます。

このプロセスを合理化するために、デジタル・ツインにARを組み込んだ構造の遠隔監視ソリューションを特定し、あらゆる問題に即座に対処できるようにすることを目指しました。

革新的なデジタル・ツイン構造に、AI/ML技術に関連する新たなイノベーションを組み合わせることによって、エンジニアは中長期的な分析が可能になり、故障に備えて先手を打つことができます。ただ、データ遠隔測定やセキュリティ要件、米国を拠点とするEAR企業のコンプライアンス遵守など、主要な基準はかなり複雑でした。

エスヘイルサット社は、現時点で利用できるのは初期段階のソリューション(TRL<4)だけだと確信しており、弊社は、適切な企業の特定、検証、そして各企業の潜在能力を評価するよう依頼を受けました。

ナインシグマは、専門家のネットワークとコンサルティングの専門知識を活用し、TRL3以上の技術をもつイノベーティブな企業18社を特定。最終的にイタリアのTELESPAZIO(テレスパツィオ)を選定しました。TELESPAZIO は、EsHail’Satの期待を遙かに超えた未知の商用ソリューションを提供し、結果として複数年の契約締結に至りました。

<事例3:屋内ナビゲーションに活用可能なAR技術の導入支援>
イノベーション・コンテスト開催し、多数の質の高い提案からデモンストレーションや面接等の審査を通して有望な組織を選定。
クライアント様:MATAR

空港、ショッピングモール、コンベンションセンターなど、屋内の構造がわかりづらい場所で行動することは、運動障害や精神障害、不安障害や聴覚障害など、ハンディキャップをもつ人々にとって大きな課題です。

視覚障害者向けの易しいシステムはあるものの、特別支援者のコミュニティに、今以上に幅広く対応できるような、包括的なテクノロジー・ソリューションは不十分でした。

MATARは、ARをベースに、視覚的な道案内ができるソリューションの開発ができる企業を求めていました。コンベンションセンター、ショッピングモール、教育施設、空港など広い空間での誘導を可能にすることが目的です。

このソリューションの狙いは、AVATARアシスタントと、事前に記録した3Dモデルを組み込むことで、目的地に到着する前に、ナビゲーション・ルートになじめるようにすることです。ナインシグマは、オープン・イノベーション・プロトコルを採用し、10万ドルの報酬をかけてイノベーション・コンテストを開催。コンテストを通じて、類似のシステムや、ソリューションの一助となる技術を開発している企業を多数、特定しました。

この試みには大きな関心が寄せられ、候補者は80を超え、47社が質の高い企画案を提出。検証を行い、デモンストレーションや面接などの審査を経て、栄冠を勝ち取ったのは、スペインのSITUMです。現在、ドーハ国際空港内での概念実証の最終段階を迎えており、より大規模な導入に向けて、準備を進めています。

<ナインシグマの専門技術>

ナインシグマは、幅広い業種のクライアント向けに、過去5年間で25を超えるAR/VRイノベーションプロジェクトを立ち上げ、先導してきました。医療機器、製薬、海運、電気通信、耐火物、空港管理、航空旅行、原子力、石油・ガス、エネルギー部門など、クライアントの業界は多種多様であり、世界各地からご相談やご依頼をいただいています。

AR/VR技術について、ナインシグマ独自の専門知識を駆使して、上記のようなイノベーションを円滑に特定し、御社の事業運営に取り込めるか、検討してみてください。AR/VRの可能性を最大限に引き出し、進化し続けるデジタルの世界で一歩先を行くために、是非私たちにご相談ください。

詳細についてのお問い合わせはこちらから: contact_ap@ninesigma.com

ナインシグマの支援事例集はこちらから:https://ninesigma.co.jp/request/

関 真太郎

事業部 アソシエイト(ヘルスケア・CPG)

<担当プロジェクト>
・大手食品メーカーに対する新規事業領域における共同研究先の探索支援
・大手食品メーカーに対するヘルスケア領域での新規事業開発支援 など
<略歴>
東京大学大学院にて植物ホルモンに関する研究を推進後、大手食品メーカーにて食品開発業務に従事。ナインシグマ参画後は食品・ヘルスケア領域を中心に、共同研究開発のパートナー探索やマッチングを支援​