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NINESIGMA

オープンイノベーションの仕組みづくり

● オープンイノベーションの仕組化の目的
今やオープンイノベーションは日本でも重要性が広く知られるようになり、各社が多様なアプローチでオープンイノベーション活動を推進する事例が増えています。一方で、普段お客様とお話しする中で、「オープンイノベーション活動を少しずつ始めたものの、なかなか成果が出ず困っている」というご相談を頂くこともしばしばあります。私たちは、こういった悩みの原因の一つは「オープンイノベーション活動が、プロジェクト単位での単発的な取り組みや、意欲のある個人レベルの活動にとどまっており、継続的かつ組織的な取り組みにできていない」という点にあると考えています。イノベーションは偶発的に発生するものであり、一発必中で生み出せるものではないので、まずは小さい取り組みでもよいので母数を増やさなければ成功事例を作ることは難しいのではないでしょうか。
オープンイノベーションを継続的かつ組織的な活動とすることで成功事例を生み出すために、私たちは「オープンイノベーションを仕組化する」ことが必要ではないかと考えています。そこで、国内企業2社におけるオープンイノベーション推進の組織体制や仕組化事例をご紹介いたします。

 

●オープンイノベーションを推進する組織体制事例(味の素)
味の素では2009年3月期に赤字に転落したことによる猛烈な危機感から、既存の成長では到達不可能な高い目標が設定されました。その目標を達成するためには自社や既存のネットワークだけでは難しいことから、自然とオープンイノベーションを活用しようという発想に転換されたようです。
具体的には、以下に挙げる取り組みによりオープンイノベーションを推進する組織を構築しました。
✔オープンイノベーション担当役員の設置
✔ 上記役員の傘下にオープンイノベーション推進チームの設置
✔ 各事業にオープンイノベーションリーダーを設置
この体制により、研究テーマの整理と権限委譲の両面で同社のオープンイノベーションを推進しています。
同社の特徴として、オープンイノベーション推進部門にて、研究予算や経費の執行、意思決定が単独で行える体制になっており、円滑でスピーディな活動推進に繋がっている点があります。また推進部門は、統括者として、研究所の統括でもある研究開発担当役員に紐づく形となっており、研究所と当推進部門の研究テーマが横串で整理でき、テーマの重複や方向性の不統一を避けられ、効果的なテーマ選定に繋がっている点も特徴です。

 

●オープンイノベーションの仕組化事例(大阪ガス)
大阪ガスでは、オール電化など電力業界の新事業が進むころにガス市場の行き詰まりに危機感を抱き、2008年からオープンイノベーションの積極活用に舵を切っています。
具体的には、以下の流れでオープンイノベーションの推進が仕組化されています。
1. 技術開発部門からオープンイノベーション室に社外技術探索を依頼し、双方でテーマ内容のすり合わせ
2. オープンイノベーション室で該当技術に関するプレ調査を行い、外部組織探索方針を立案
3. 内部のイノベーション・エージェントによるアライアンス先へのコンタクト、または外部のイノベーション・エージェント(ナインシグマのような外部ベンダー)への技術探索依頼により、有望技術を探索
4. オープンイノベーション室から技術開発部門へ、有望外部技術の紹介図1. 大阪ガスにおけるオープンイノベーションの仕組み(ナインシグマにて作成)

同社の取り組みの特徴は、求める技術に応じて技術探索の手法を使い分けている点です。同社のネットワークが有効に生きる国内の中小企業や大学の技術を求める場合にはオープンイノベーション室が自ら技術探索を行い、一方で海外組織など自社のネットワークが及ばない範囲の技術を求める場合は外部エージェントを活用するという形で、柔軟かつシステマチックにオープンイノベーションを推進する仕組みが構築されています。

 

●オープンイノベーションの仕組化を検討される皆様へ
ここまで2社の事例を見ることで、オープンイノベーションを推進するための組織体制や仕組についてご紹介しました。両社の事例は多くの日本企業の参考になる素晴らしいモデルであることは間違いありませんが、ここで注意いただきたい点があります。それは、「どんな企業のオープンイノベーション推進にも、“この組織体制や仕組みを導入しておけば間違いない”、というものは存在しない」ということです。オープンイノベーションの最適解は各企業のビジョン、ビジネスモデル、強み、社内体制、社内風土など多面的な要素によって変化するため、各企業に適した独自の組織体制、仕組みを作ることが必要です。
ナインシグマでは、これまでお客様と一緒にオープンイノベーションを活性化する仕組みづくりをさせていただいています。これらのノウハウを活用することで、「これから新たに自社のオープンイノベーションを活性化したい」、「自社に合ったオープンイノベーション推進の組織体制や仕組みを構築したい」、という皆様へのご支援ができればと考えております。もちろん、仕組みを作るだけでなく、活性化させるための定期的な仕掛けも重要ですので、例えば年単位での定期的な社内イベントの開催といったご支援も可能です。まずは、お気軽にご相談をいただければと思いますので、皆様のご連絡お待ちしております。

 

藤原 広樹
ナインシグマ・アジアパシフィック株式会社
京都大学/農学研究科 修了、キリンホールディングス株式会社/ R&D本部を経てナインシグマ入社。