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オープンイノベーションの新潮流
第6回 「変革期にあるヘルスケア産業。オープンイノベーションだからその足掛りとなる。②」

ナインシグマ・グループ
顧問 渥美 栄司

 

新しいビジネスモデルの構築が急がれる。

ナインシグマ社は、ヘルスケア企業のオープンイノベーション活動を数多く支援してきました。そこで、過去の実績から、ヘルスケア企業がどのような目的でオープンイノベーションを行っているのかを分析しました。結果をまとめたものが図1です。分析結果によると、オープンイノベーションの実施目的は、「Technology(技術探索)」、「Process(プロセス探索)」、「Added Value Products(付加価値創造)」、「Business Models(ビジネスモデルの創造)」という4つのカテゴリーに分類されることが分かりました。

 1. Technology:新規技術を獲得する
新しい分子化合物 ⇒ 新しい薬の種
ドラッグデリバリー ⇒ 薬を病巣へ正確に送達する技術
安定性向上技術 ⇒ 薬の保存安定性向上技術
臨床モデル ⇒ ヒトでの病気の状態を反映した薬を評価するための実験系
 2. Process:プロセス向上や新規機能を追加する
プロセス設計
製造技術
オンラインモニタリング
優秀なCMOやCROの探索
 3. Added Value Products:製品やサービスへ新しい価値を付加する
家庭内診断やパーソナライズされた診断
ヘルスモニタリング
プログラム可能なウェアラブル送達デバイス
 4. Business Models:薬やデバイスのみの販売から脱し、売上を劇的に向上させる
ウェブ技術やモバイル技術との融合
ビッグデータを利用した処方支援や経過モニタリング
負荷の小さい治療

*図1:ヘルスケア企業のオープンイノベーション活動の目的(ナインシグマ調べ)

さらに、この4つのカテゴリーを「Business Value(ビジネスバリュー)」と「Business Efficiency(ビジネス効率)」という2軸で定義し直し、以下のマッピング図(*図2)を作成しました。この図を用いると企業ごとの「プロジェクトのカテゴリー分布」を分析することができ、オープンイノベーション活動の成熟度や戦略を比較することができます。

  *図2:ヘルスケア企業によるオープンイノベーションの目的のマッピング図

ここからは、ヨーロッパのヘルスケア企業(製薬企業)に特化した分析結果についてお話していきます。ヨーロッパのヘルスケア企業(製薬企業)のプロジェクトの目的をマッピング図に当てはめてみたところ以下のような結果(*図3)が得られました。

     *図3:ヨーロッパのヘルスケア企業によるマッピング図

図3から、49%が「Technology(技術探索)」を、26%が「Process(プロセス探索)」を、16%が「Added Value Products(付加価値創造)」を、9%が「Business Models(ビジネスモデルの創造)」を目的にオープンイノベーション活動を実施したことが分かります。

このように、ヘルスケア企業のオープンイノベーションの傾向を見るだけでも、日本と欧米で顕著な差が見られます。一般的に欧米の後追いをすると言われている日本企業ですが、今後何を目的としてオープンイノベーションを進めていくのか、次回より深い議論を進めたいと思います。

 

<関連コラム>

オープンイノベーションの新潮流第6回 「変革期にあるヘルスケア産業。オープンイノベーションだからその足掛りとなる。①」