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オープンイノベーションの新潮流
第5回 「身の回りにあるオープンイノベーションの成果②」

ソーセージにチョコレート。身近なものにこそ革新的技術が。

先週、食品・日用品業界においてオープンイノベーションが盛んにおこなわれていることを紹介しました。
今週は、具体的にどのような商品がオープンイノベーションによって開発されたのかを、事例を追って見ていきたいと思います。

【事例1】 Hallmark:ARグリーティングカード

1つめは、年間60億枚もの「紙メディア」を販売するHallmark社の事例です。2011年、同社は、電子メールの普及による「紙メディア」の衰退を危惧して、「紙メディアとデジタル技術の融合」を実現する新ジャンルのカードを企画しました。

オープンイノベーションを通して、ドイツのスタートアップ企業との共同開発が行われ、AR(拡張現実)を搭載したグリーティングカードが完成しました。グリーティングカードをウェブカメラにかざすと、パソコン画面上に、ARと音声からなるメッセージが現れるという仕組みです。母の日商戦に向けて販売したところ、見事大成功を収めました。

本プロジェクトは、「新製品の創出」に成功した好例といえます。拡張現実などのデジタル技術に縁遠かった同社でも、オープンイノベーションであれば、世界中から自社にマッチする技術を見つけることができたのです。

― 日本ホールマーク社の導入事例紹介 ―

※プレスリリースの詳細はこちら

 

【事例2】 某ソーセージメーカー:最適温度に達するとアラート表出するソーセージ

2つめは、あるソーセージメーカーの事例です。自社のソーセージを、最も美味しい状態で食べてもらいたい。そう考えた同社は、ソーセージの内部が最適温度に達したタイミングを知らせることができるソーセージを開発しようと考えました。

そして、冷蔵されていたソーセージの内部が、調理を始めてからある範囲の時間をかけて、所定の温度域に達したとき、ソーセージ表面に特定の色や印が表出するメカニズムを、ナインシグマとともに世界中に募集しました。

技術提案を求めた先は、感熱性色素などの「材料」や「温度計測」、「状態測定」、「分析」といった分野のスペシャリストです。企業の研究者だけでなく、大学の教授からも多数提案を受けることができました。そのうち、汎用的に適用できる可能性のある技術を見出し、現在、製品応用に向けたコンセプト実証を経て、実用化検討に至っています。

食品におけるオープンイノベーションには、「可食性」という課題が必ずついて回ります。しかし、ナインシグマは、技術探索時に「可食性」を問いません。そもそもこういったコンセプトが成立し得るかを検証する必要があるからです。コンセプトの成立が立証できた後、可食性について検討すればよいのです。段階的な技術探索が解決への近道であることを覚えておいていただきたいと思います。

 

【事例3】 ペプシコ社:塩味を損なわない減塩ポテトチップス

3つめは、ペプシコ社の事例です。今でこそ、減塩スナックは当たり前に普及していますが、2008年当初の減塩スナックは、食べなれた味が損なわれて、なんとなく味気ないという理由から、消費者から高い評価を得られずにいました。そこでペプシコ社は、実際の塩分量は減らしつつ、食べた時の塩味は変わらない商品づくりに挑んだのです。

同社は、塩分をナノ粒子化することで、食べた人の舌に直接触れる塩分の表面積は減らすことなく、塩分の絶対量を減らそうと考えました。多くの企業はこうした技術アイデアを自前で実現させようとしますが、ペプシコ社は、コストと生産スピードの面から、外部の技術探索に踏み切りました。

本件では、「塩分のナノ粒子化」という具体的な技術課題がありましたから、世界中から多数の提案者を募ることができました。ただし、ナノ粒子化の技術にどれだけ優れていても、連続生産が可能かどうかを厳しく選別する必要がありました。結果、ペプシコ社とナインシグマが選んだ事業化パートナーとともに実用化が進み、技術を活かして製品化がなされました。知らず知らず食べている減塩スナックが、ペプシコ社の技術開発によるものかもしれません。

※PepsiCo社では、NineSigmaのオープンイノベーションプラットフォーム
NineSights”上で公募を行っております。詳細は以下のURLよりご覧ください。
 https://www.ninesigma.com/s/PepsiCo-Gallery

 

いかがでしたでしょうか。

少しご紹介しただけでも、身の回りにオープンイノベーションを活用して開発された製品が多数存在するとお分かりいただけたかと思います。

次回も引き続き、身の回りにあるオープンイノベーションの成果を事例として紹介したいと思います。
(*次回のコラムは8月23日掲載予定)

 

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オープンイノベーションの新潮流第5回 「身の回りにあるオープンイノベーションの成果①」