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持続可能な未来への一歩: PFAS代替品によるイノベーションと変革

”昨今、規制や訴訟で話題に上っているPFASですが、環境と健康への悪影響が懸念され、世界中で規制が進んでいます。この動向は、産業界における大きな挑戦をもたらす一方、ライバルよりも先んじてアクションできれば、イノベーションと新たなビジネス機会を掴むチャンスとも言えます。”

世界中で進むPFAS規制

パーフルオロアルキル物質(PFAS)は、その優れた撥水性と非粘着性により、調理器具、食品包装、化粧品、家庭用製品、消防製品、塗料、コーティング剤など、様々な産業で長年にわたり使用されてきました。しかし、PFAS化合物の「永遠の化合物」と言われる所以となっている安定性と分解されにくい特性により、環境および人間の健康に潜在的なリスクをもたらおり、世界中の規制当局から厳しい目が向けられています。

欧州では、欧州委員会(EC)が全てのPFASを禁止しようとしており、この法律が通れば、2026年頃にはこれらの化合物の使用が禁止される可能性があります。

アメリカでは、米国食品医薬品局FDAが2016年に食品包装から特定のPFASを禁止し、カリフォルニア州とニューヨーク州は2023年から紙ベースの食品包装でのPFAS使用を禁止しています。

・日本においても環境省が「PFASに対する総合戦略検討専門家会議」を2023年1月に立ち上げており、世間の注目も高まっています。

これら「永遠の化合物」の使用禁止は、多くの業界における製品開発と供給チェーンへの大きな挑戦となっています。一方で、ここには逆境を乗り越え、ビジネスを成長させる大きな機会にもなり得ます。

ナインシグマは、様々な分野でのPFAS代替品の特定に成功しており、お客様の製品が将来の規制に適合しつつ、市場での競争力を高めることを支援しております。

 

PFAS代替品を特定できた成功事例

食品包装用耐油・耐グリースコーティング:

ナインシグマのクライアントは、食品包装用の高耐油・耐脂性紙やボードの製造において、持続可能で安全なコーティングソリューションを求めていました。ナインシグマは、これまで蓄積したグローバルネットワークを駆使し、PFASを使用せずに最高レベルの耐油・耐脂性を達成する60種類以上のコーティングを特定しました。これらの代替品は、リグニン、セルロースナノクリスタル(CNC)、キトサン、水性コーティングなどから構成されており、幅広い選択肢を提示しました。現在、クライアントは9社とNDAおよびMTA(Material Transfer Agreement:研究材料等提供・移動同意書)を締結し、様々な商業用途向けに、食品に安全でPFASフリーの新しいコーティングの選択肢の見極めを進めています。

消費財向け低摩擦コーティング

当社のクライアントである消費財メーカーは、自社の製品ポートフォリオにおいてPFAS含有の低摩擦コーティングを複数の製品に使用していました。彼らは、異なる産業における低摩擦コーティングにおけるPFASの代替戦略を理解することを目的として当社に協力を求めてきました。

ナインシグマは150以上の候補組織の中からPFAS代替となる解決策を特定し、さらに技術的な専門知識に基づいて追加の調査を重ねることで、PFASに取って代わる可能性のある候補を20に絞り込みました。最終的に消費財メーカーは、製品の性能を維持しながら環境負荷を低減する低摩擦コーティングを得ることができました。

 

 

新しい未来を共に築きましょう

これらの取り組みは、持続可能な未来への一歩として大きな意義を持ちます。PFAS規制の動きは今後も進んでいくと見られており、その変化に対応できた企業のみが新しいビジネスチャンスを掴んでいくことでしょう。ナインシグマは引き続き、環境に配慮したイノベーションと変革を推進し、新たな未来を共に築いていくことを目指しています。PFAS規制への対応は複雑ですが、PFAS代替品に関するご相談や、新たなビジネス機会創出については、ぜひお気軽にご相談ください。

詳細についてのお問い合わせはこちらから: contact_ap@ninesigma.com

緒方 清仁

事業部 部長(ヘルスケア・CPG、マテリアル・エレクトロニクス)

・最終学歴
筑波大学大学院 人間総合科学研究科 フロンティア医科学専攻
・前職
食品メーカーの基礎研究部門で5年間、腸内細菌の解析手法の研究開発、ならびに開発手法を用いた国内外の研究機関との共同研究に従事していました。