株式会社カネカ
Medical Solutions Vehicle 技術統括グループ S氏
■ ご自身の業務について教えていただけますでしょうか?
自社の医療機器開発の全体を取りまとめ、方向性を定めていく業務に従事しています。OIカウンシルを知るきっかけは他の部門からこんなサービスあるよと紹介を受けたのがきっかけでした。
■ 他部門の方からご紹介がきっかけで当社OIカウンシルの活用へ至ったとのことですが、決め手はどういった点でしたでしょうか?
最初に紹介を受けた際には、面白そうだなと思ったことと、ちょうど試してみたいトピックもいくつかあったので、真剣に検討しようと思いました。
我々としても初めて利用するサービスでしたので、どういった内容が適しているのか、どういったアウトプットが得られるのかが読めなかったのですが、手軽な費用であったこともあり、試してみることにしました。
我々は主に国内向けに医療機器開発を行っているので、特定領域の国内臨床医の先生方の声を得ることは比較的容易なのですが、海外や幅広い専門性の方の声を得ることはなかなか難しいと感じています。
そういった状況でちょうど広く専門家の声を聴いてみたい次のようなテーマがあったので、OIカウンシルで調査してみることにしました。
・馴染みのある領域で、新規技術の活用場面や用途の確認をしたい
・全く新しい領域で新しいコンセプトの製品開発を進めており、自分たちがとらえているニーズが果たして正しいのかを検証したい
■ 御社では国内が主な市場としておられ、一方のOIカウンシルは海外のエキスパートへの調査が可能ですが、このエリアの違いについて懸念はありませんでしたか?
今回の調査では海外の声について、特別高い期待があるわけではなかったのですが、内容自体が地域差を考慮しなければならない段階よりも上流の根本的なものでしたので、広く声を集めることそのものに価値がありました。
■ 異なる期待値での調査をご実施いただきましたが、まずはOIカウンシルに対して率直にどのような感想を抱かれましたか?
30-40名の回答があっという間に集まり、それが整理されてレポートが受け取れるスピード感に驚きました。通常であれば、海外で活動するメンバーが業務の合間を縫って地道に声を集める必要があることを考えると、比較的労力をかけずに多様な声を集めて、必要に応じて追加質問などの深堀のアクションも取れるのはとてもいいですね。
今回は2種類の調査を実施しましたが、「馴染みのある領域で、新規技術の活用場面や用途を確認したい」テーマでは、想定外のアイデアは得られませんでしたが、自分たちが考えていたアイデアで過不足無いことが確認できました。一方、「全く新しい領域におけるニーズ検証」テーマでは、当該領域での戦い方を明確にすることができました。いずれについても、自分たちの中にぼんやりとあった考えの答え合わせになりました。
■ OIカウンシルへの更なる期待はありますでしょうか?
広く声を集めてくるエキスパートのすそ野を広げられることを期待しています。現役のビジネスマンを対象にした調査では、エキスパートの声をお手軽、多様、かつスピード感をもって集められることを確認できたので、臨床ニーズの収集へそれが展開されるとより活用の機会があるなと感じています。
今後の期待としていただいたOIカウンシルにおけるエキスパートのすそ野を広げるといった点については、まさに今取り組んでいる内容であり、スタートアップ企業の方や臨床医を含むアカデミアの先生方もメンバーになっていただいています。OIカウンシルを更に魅力的なコミュニティとしてまいりますので、今後も、御社内で生み出されたアイデアを具体化する場面でぜひご一緒させてください。本日は貴重なご意見、ありがとうございました。
2021年6月
OI カウンシルに関しては詳しくはこちらから https://open-innovation-council.com/