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継続的なオープンイノベーション活動のために必要なこと

オープンイノベーション
体制作り
推進者
組織

オープンイノベーションは研究開発加速の武器となります。継続的に実践していくことが大切です。本コラムでは、“オープンイノベーション推進部門が継続的に機能するためのポイント”についてご紹介いたします。

<オープンイノベーション実践者・推進者を評価する>

オープンイノベーションを継続的に実践していくためには、オープンイノベーション実践者・推進者の“評価の仕組み”も重要になります。オープンイノベーションで有名なP&Gには、オープンイノベーション実践者・推進リーダーになりたいという人がグローバルにたくさん存在しています。つまり、オープンイノベーションをやると社内で評価されると認知されているわけです。

オープンイノベーションではリーダーが、そして推進組織がしっかりと策定して経営陣と合意するということが大切です。オープンイノベーションは新しいことへのチャレンジですから、既存のことをやるよりはるかにリスクが高くなります。マイナス評価となってしまえばチャレンジする人はいなくなってしまいます。加点評価となるということを合意することが非常に重要なポイントになります。

推進リーダーは、先進企業などの大手、大学、組織とのネットワーク、新しいオープンイノベーションの動きなどを積極的にキャッチすることが求められています。ニーズに合った仕組みの構築、維持、改善、そして仕組みごとに成功のカギをきちんと分析して、それを社内に伝えていくことが大切です。相手先によってやり方を変えて、それぞれの確率を上げていく、ヒット率を上げていく、そういったことが重要なのです。フレキシブルに対応出来る人が適任です。いろんなルール、道を作っていくことが大事ですし、それが推進リーダーに求められる資質です。

※推進リーダーについての詳細は別途コラムをご参照ください

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<予算の確保>

大阪ガス時代の話になりますが、毎年オープンイノベーション室が、活動方針をしっかりと作っていました。オープンイノベーション室が作成した活動方針に合わせて、今度はしっかりと予算計画を作るそういった流れになります。当初イノベーションのプロセスの中でも中心部分を担当していたわけですが、2014年からは新しいテーマを作る、新しい事業を作るところにもオープンイノベーションを広げていきました。新しいテーマを作る、新しい事業を作るとなると、また別の仕組みややり方を施行していかないといけません。そのために必要なことは、それぞれ何をやるかということをしっかり決めて予算計画をしっかりと作る、つまり オープンイノベーションの方針及びオープンイノベーションの予算計画をしっかり作ってから幹部と合意して、それをキャラバンで回って各部に説明に回るといったことでした。

オープンイノベーション活動は既存の予算の中では想定外です。大事なのはオープンイノベーション活動費をしっかり確保することです。現状の課題、調査費用活動費用を十分にとっていないケースが非常に多く見受けられます。おなじみの企業との協業が暗黙の前提になっているのです。自分で時間をかけて探索をすることしか選択できない非効率な方法を選択している、そのうえ成果が出ないという企業が、今、非常に多く存在しています。まさにオープンイノベーションの推進を自前主義でやっている企業です。

予算とっていなかったから、あとは自前で探すしかない、これはオープンイノベーションとは言えません。せっかくステージが上がったのに予算がないために来年に持ち越しだったら何のためにオープンイノベーションをやっているのか分かりません。オープンイノベーションはスピードを上げるためにやっているのですから、予算が必要になることを想定した上で予算計画をしっかり作ることがとても重要なポイントになります。

 

<組織でのオープンイノベーションの広げ方>

オープンイノベーションを組織内で広げるためには、オープンイノベーションを実践した人がそれぞれの部門のオープンイノベーション推進リーダーになれるように育成することも重要です。

大阪ガス時代には、技術開発本部の技術戦略部にオープンイノベーション室を置いていました。ここは戦略構築の部署でしたので、オペレーションをやる人をそんなに増やすことができないため、思い切って外部のエージェントを活用していました。グローバルに探すときはナインシグマを使うといった方針を作っていましたし、そのための予算もきちんと確保していました。

さらに、社内に、全社にオープンイノベーションを浸透させるために、様々な部門の企画の方に“オープンイノベーション担当者”というポジションを作ってもらっていました。全部で10組織以上でした。子会社の事業をやっているところにもオープンイノベーション担当を作ってもらいました。そうすることで、全社にどんどん広がっていったのです。こういった仕組み、将来のオープンイノベーションリーダーを育てていくような体制だとか組織作りが重要であると考えています。

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