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マッチング会における成功の秘訣:提案者の立場から

オープンイノベーション

世の中には、ビジネスマッチングと名のつくイベントが多々ありますが、シーズプル(技術を持っている企業がその技術を使ってくれる相手を見つける)タイプのイベントが多く見られます。

しかしながら、飛び込み営業の成功率が低いことからも分かるように、この場合のマッチングの成功率は、それほど高くなることはないことは、容易に想像がつくと思われます。

一方、ニーズプル(技術的な課題があり、その技術を保有する相手を探す)タイプのマッチングイベントでは、提案者は自分達の技術を営業したい側なので、前者に比べて熱心に参加・提案してくれ、マッチング絶対数も増加し、成功確率は格段に高くなります。

今回は、ニーズプル型マッチング会への参加を前提とし、あなたの会社が技術を提案する側として参加する場合に、どうすればマッチング会での成功確率が高くなるかをご紹介します。

まず、ビジネスマッチングにおいての「成功の定義」は何でしょうか。
技術の提案者として参加する場合には、「新しい顧客の獲得」「新しい産業分野への進出」といったところでしょう。

マッチングイベントは、言わばお見合いにおけるアピールタイムです。お見合いの成功、すなわち自分にとって最高の相手と出会うためには、ある程度「数を打つ」必要もあります。少し高嶺の花でも、ダメ元は覚悟の上で、積極的にアプローチしてみることが大切です。そして釣書を見てもらえる機会のために、アピール先の目を引く釣書を準備しておくことが必要になります。ここでは、「技術課題に対して提案をする際のポイント」をご紹介します。

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1. 相手が判断できる内容を提示する

お見合いに進むためには、自分が持っている技術が相手の求めている技術と「マッチしていますよ!」と適切にアピールする必要があります。その際に大切なことは、自分の当たり前が、相手の当たり前ではないことを意識することです。開示できるスペックは、出来る限り開示するようにしましょう。
「微細加工技術」を例として考えた場合、自分が考えている微細と、相手が考えている微細がマイクロレベルとナノレベル程の差がある場合もあります。「微細の中身」を誤解がないように提示することで、相手もあなたが適切な相手であるかどうかを判断でき、お互いに時間のロスを省くことができます。

2. 日ごろから自身の技術の強みを探しておく

日ごろから他社・異分野の技術動向にアンテナを張り巡らし、その中で自分が持っている技術の強み、あるいは適用できそうな用途を考えておくことはとても重要です。他社・異分野との技術の比較を意識的に行うことで、1.に記したような、「●●業界だけの固定観念に縛られること」もなくなるのではないでしょうか。また、強みを整理・理解することは、結果的に、会社としての今後の開発方針を決める際にも役立ちます。

3. 活用の仕方も含めて提案してみる

マッチング会に参加したからといって、技術を探している企業が、あなたの技術を見初め、用途をお膳建てして使ってくれる確率は、極めて低いと言えます。

中小企業の二代目がシリコンバレーに自社技術を売り込みに行くというドキュメンタリーがありました。二代目はベンチャー企業で、「自社技術の凄さ」についてプレゼンしたのですが、その際のベンチャー企業のコメントは「それで、その技術は我々にとってどういう風に立つの?それを考えてから出直して。」という厳しいものでした。売り込んだ先が、あなたの技術の使い方まで考えてくれることは、まずありえない!と考えておくのが妥当です。

また、ニーズプル型ビジネスマッチングに提示されるニーズは、提示企業が探したけれども見つからなかった技術であるケースが多く、「今ある技術がそのままぴったり当てはまる」といった幸運はそうそうありません。

そのため、「自分が持っている技術は、こういうもので、こういう風にあなたのニーズに使っていただけますよ」、あるいは「こういう風に開発すれば、あなたの提示するスペックを満たすことができますよ」という提案の仕方を行うことで、あなたの技術に興味を持ってもらえる確率はグッと高くなるはずです。

技術革新のスピードが速まり、技術の細分化が進んだ今日において、異分野にもアンテナを張り巡らし、自社技術の応用先を見つけることは簡単なことではありません。ただ、日頃から武器を準備しておくことは、マッチング会に限らず、新しいビジネスチャンスを逃すことなく、しっかりと捕えるための準備となるのではないでしょうか。