新しいオープンイノベーションの活用方法 ①「何をすべきか」の発想のために活用する:4-1.アイデアを集める‐使い分け

前回のブログで、スタートアップ企業と付き合う場合、自分たちから細かく依頼するのではなく、彼らにアイデアを提案させた方がうまくいく、という話をしました。

「誰が良いアイデアを持っているかわからない。相手を絞らず、広くアイデアを集めて優れたものを選んだらどうか?」
と思うかもしれません。この発想で行われているアイデア創出のためのオープンイノベーションこそがが、イノベーションコンテストやアイデアソン、ハッカソンなどです。

このテーマの初回に、海外の技術担当役員は、「オープンイノベーションはHow to doの手段として、より早く製品を市場に出すため活用している」と答える、と述べましたが、海外の企業では、広くアイデアを集めるタイプのオープンイノベーションは、技術部門ではなく、マーケティング部門のトップがリードすることもしばしばです。

例えばGEはイノベーションコンテストを開催することで、これまで鋳造で作っていた航空機部品の重量を1/6にする図面のアイデア、そして、中空の複雑な形の部品を製造できる金属の3D Printingの技術・製造ノウハウを得ることに成功しましたが、このプロジェクトのスポンサーは最高マーケティング責任者です。

では、絞り込んだ相手にアイデアを出してもらう方法と、広くアイデアを集める方法、どちらが優れているのでしょうか? 結論から言うと、どちらかというのではなく、集めたいアイデアによって使い分けをすることが必要になります。

求めるアイデアの専門性が高く、多くの制約がある場合には、絞り込んだ相手に相談する方法が最適です。前回の例のように、「自転車シェアリング×広告」、「自転車シェアリング×コミュニティーづくり」となると広告やコミュニティーづくりをしている組織や自転車シェアリングの運営者に訊いてみても、探している新しいアイデアを持っているとは限らないので、最初から絞り込んだ方が見つかりやすくなるわけです。

一方、求めるアイデアが汎用性のあるものや、アイデアを持っている可能性のある人口は大きいけれど誰が持っているかわからない場合には、広くコンテストやアイデアソンを行う方が効果的です。

アイデアが豊富でプログラミング能力の高い人が、どこに埋もれているかわからない場合はハッカソンを通じて見出すことが効果的だったりします。身近な照明器具に関しては、デザインのアイデアを持っている人が専門家とは限らないので、Corningは「有機ELの強みを活かした新しい照明デバイスやシステムのデザイン」をテーマにコンテストを開催し、その結果、サンフランシスコのデザインファームや、トルコの大学生から有望なアイデアを集めることができました。

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使い分けを理解したところで、では実際にどう実践すればよいのか? 次回、広くアイデアを出させるタイプのオープンイノベーションの成功の鍵についてお話します。