インタビュー 香川大学 小川先生

自分が持っている知見を活用して研究費を獲得とする考え方はごく自然な発想で、何も特別なものだとは考えていません。

これまで積極的に提案をしてくださっていますが、どのような思いでご提案いただけるのでしょうか?

はじめは、大学の学生からナインシグマの話を聞きました。技術募集をしているということで興味を持ち、調べてみたところ、自分の知見が生かせそうな技術募集があったので応募したことがきっかけです。
自分が持っている知見を活用して研究費を獲得とする考え方はごく自然な発想で、何も特別なものだとは考えていません。提案することで頭の中が整理されるし、世の中の技術ニーズが良く理解できるので、よいトレーニングにもなります。
毎週一回送られてくるナインシグマのニューズレターを読みながら、「これは」とおもう案件があれば積極的に応募しています。ちなみに、ニューズレターを読むだけでも、世の中の技術ニーズやそのトレンドが把握できるため、研究の方向決めの際にも参考になります。

提案の結果はどうでしょうか

これまで国内外含め、20以上の技術募集に提案していますが、その中で3~4件は共同研究まで進みました。共同研究としては、1年で終わったものもあるし、3年続いたものもあります。資金提供としても、年間数百万円規模のものから1000万円のものまで、様々です。寄付金としていただくこともあります。
それでも、不採用になる方が多いです。相手企業の考え方などもあるでしょうから、不採用になることは全然ネガティブにとらえていません。不採用の際にいただく不採用理由は貴重な情報であり、参考になります。
また、その時は途中でプロジェクトが終了しても、コネクションができた企業から、後日、別件でお話をいただくこともあります。企業と接点を持つきっかけを作るには非常に良い仕組みだと思います。

提案作成には、それほど時間がかかりません。それでうまくいけば研究費が獲得できるので、効率は良いと感じています。これからも積極的に提案を出し続けたいと思います。

香川大学 小川先生

海外メーカーとのやり取りもご経験されていると思いますが、日本のメーカーと比べて違いはありますか?

海外メーカーの技術募集に提案をしたことがありますが、日本企業に比べて動きが早いです。提案を出したところ、すぐに直接先方から連絡があり、本社によばれました。当然、飛行機代や滞在費も出してくれました。相手の必死さはよく伝わってきたので、こちらも何とか期待にこたえようとがんばりました。最終的には新しい技術課題が見えてきたので、そこで終了となりましたが、日系企業とは異なるグローバル企業の動き方が見えたことは参考になりました。
特に、研究者の切迫感と動きの速さは、印象的でした。自分自身も以前は企業の研究所にいたのでよくわかるのですが、日本企業の研究者は、良くも悪くも比較的自由に研究をさせてもらっていると思います。海外のメーカーと日本のメーカーでは、研究のあり方が少し違うのかな、と感じました。

大学の立場からオープンイノベーションをどうご覧になりますか?

大学としても、どんどんこの仕組みを使って企業と共同研究をしていけばよいと思います。とくに若い研究者にとっては、実力をためす良いチャンスになるのではないでしょうか。科研費などと同様です。がんばれば結果も付いてくるし、何よりも自分の技術のブラッシュアップになると思います。
私は、自分の技術や特許リストをまとめた提案書のひな型を作ったので、応募する案件ごとに要点だけ書き込めば提案書となるようにしています。そのため、提案作成には、それほど時間がかかりません。それでうまくいけば研究費が獲得できるので、効率は良いと感じています。これからも積極的に提案を出し続けたいと思います。

香川大学 小川先生

名誉教授/工学・理学博士 小川 一文

香川大学
工学部材料創造工学科
取材後記:弊社プログラムに最も積極的に提案をしてくれる香川大学の小川先生に、ついにお会いすることができました。実に楽しそうに生き生きとお話される姿が印象的でした。
コメントにもあった「不採用でも気にしない。とりあえず提案してみる」という前向きな姿勢が成功の秘訣だと感じました。

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